きみが窓を見なくなるまで
二時間目のあと、私はプリントを職員室へ届けた。

日直の子に頼まれたものだった。

戻ってくると、教室の後ろから自分の名字が聞こえた。

「佐々木、今日も結んでるじゃん」

入口で、足が緩む。

すぐに入るタイミングを逃した。

「最近、たまにだよな」

別の男子の声。

私は手に持っていたクリアファイルを持ち直した。

自分の話だと気づいたあと、聞かなかったことにするには、もう遅かった。

「下ろしてんのもいいけど、あれも可愛くない?」

聞き覚えのある声だった。

山本直人くん。

高木くんたちと、ときどき一緒にいる人。

私は扉の枠へ目を落とした。
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