きみが窓を見なくなるまで
私は廊下を一歩戻った。

そのまま、掲示板の前へ行く。

何が貼ってあるかは見ていなかった。

手の中のファイルが、少し曲がる。

庇ってくれたのだろうか。

それとも、ああいう話し方が嫌だっただけなのか。

本人のいないところで、何かを言われる。

それは、初めてのことではなかった。

褒め言葉だとわかっていても、自分がいない間に、知らない自分の形ができていく感じが少し苦手だった。

教室から、また別の話題が聞こえる。

私はファイルをまっすぐに戻した。

そろそろ入らないと、次の授業が始まる。
< 192 / 385 >

この作品をシェア

pagetop