きみが窓を見なくなるまで
自分の席へ向かう途中、直人くんと目が合った。

彼は一瞬だけ動きを止め、それから軽く手を上げた。

「佐々木、今日、日直?」

「ううん。届け物、頼まれただけ」

「ああ、そうなんだ」

会話はそこで終わった。

私は鞄の横へファイルを入れる。

少し離れた席で、高木くんがこちらを見ていた。

目が合う。

私は小さく会釈しようとして、やめた。

挨拶をする場面でもない。

高木くんの視線が、私から直人くんへ移る。

何か言うのかと思ったけれど、彼はそのまま前を向いた。

私は椅子へ座った。

背中に、結んだ髪が触れた。
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