きみが窓を見なくなるまで
「俺、最近全然読んでない」

直人くんはそう言って、隣の空いている机へ手を置いた。

「最後まで読めそうなの、ある?」

私は表紙を指で押さえた。

少し前にも、似たことがあった。

高木くんに本について聞かれたとき。

でも、同じような質問でも、答えるときの気持ちは違っていた。

「どんなのが好き?」

「映画だと、怖いやつとか」

「じゃあ……短い話がいくつか入ってるのなら、読みやすいかも」

「それ、図書室にある?」

「あると思う」

直人くんは少し笑った。

「じゃあ、今度教えて」

私は頷く。

本の話なのだから、断る理由はなかった。
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