きみが窓を見なくなるまで
私はすぐには返事ができなかった。

触っていいか、聞かれている。

わかっているのに、髪のことだけを考えられなくなった。

高木くんの手は、まだ止まっていた。

私が答えるまで、動かない。

「……お願い」

そう言ってから、椅子を少し横へ向けた。

顔を見られないようにしたかった。

結んだ髪を、彼のほうへ向ける。

椅子の動く音がした。

高木くんが立ったのだとわかった。

「痛かったら言って」

声が、さっきより近い。

私は膝の上で両手を重ねた。

「うん」
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