きみが窓を見なくなるまで
最初に、結び目が少し緩んだ。

引っ張られる感じはなかった。

絡まった髪を、一つずつ外しているらしい。

私は机の端を見つめた。

カウンターの木目。
小さな傷。
ペンを落としたような、黒い点。

どれも、今まで気にしたことのないものだった。

高木くんの指が、結んだ髪を支える。

少し間を置いて、ゴムが一回、ほどけた。

首筋の張りが緩む。

もう一回。

最後に、集まっていた髪が静かに肩へ落ちた。

私は息を止めていたことに、そこで気づいた。
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