窓際の高木君
第九章 借りたブレザー
次の日は、体育の前から髪を結んでいた。

昨日の朝と同じ高さ。

鏡で横を向き、結び目を確かめる。

少し曲がっていたので、いったんほどいて結び直した。

高木くんが、ゴムを外してくれた指先を思い出す。

私はすぐに手を下ろした。

朝から考えることではない。

そう決めたのに、教室で顔を見たとき、最初に浮かんだのはそれだった。

「おはよ」

彼の視線が、私の髪へ少し動く。

私は顔を上げた。

「おはよう」

高木くんは何も言わず、わずかに口元を緩めた。

昨日の続きを、二人だけで確かめたような気がした。
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