きみが窓を見なくなるまで
私は本の角を押さえた。

忘れないうちに、話しておきたいことがあった。

「あの、バレー」

高木くんが顔を上げる。

「昨日、四回続いた」

彼はすぐに笑った。

「増えたじゃん」

「うん」

「次、五回?」

「一回ずつなんだね」

「確実だろ」

その返し方がおかしくて、私は笑った。

高木くんは椅子の背へ少し体を預ける。

「楽しかった?」

私は頷いた。

今度は、迷わなかった。

「前より、ボール来るのが怖くなかった」

彼はその言葉を聞いて、もう一度、小さく頷いた。
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