きみが窓を見なくなるまで
「……せっかく、座ってくれたのに」

そう言うと、高木くんは少し黙った。

それから、手元の本を指で示す。

「俺も読んでたし」

私はその本を見る。

栞は、さっきより後ろへ進んでいた。

「うん」

「眠かったんだろ」

彼の言い方は、責めるものではなかった。

私は頷いた。

高木くんは、また本を開いた。

ページを探し、そこへ目を落とす。

私は自分の本へ指を置いた。

何も話さなくても、一緒にいてよかったのかもしれない。

そう思うと、肩の力が抜けた。

今度は眠気ではなく、ほっとしたせいだった。
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