きみが窓を見なくなるまで
信号が青になった。

歩き出してから、高木くんが言った。

「そっか」

私は頷いた。

「うん」

「前より下手だったら?」

少し軽い言い方だった。

でも、私はすぐには笑えなかった。

「……私には、比べられない」

正直に答えると、彼がこちらを見た。

私は慌てて付け足した。

「でも、今日より明日のほうが、とかなら」

「今日?」

「今日、見たら。次に見たときは、少しわかるかもしれない」

言葉がまとまらない。

高木くんはしばらく私を見て、それから前へ向き直った。

口元が、少し緩んでいた。

「何回も来るつもり?」

私はそこで、自分が言ったことに気づいた。
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