きみが窓を見なくなるまで
二冊目は、一冊目より早かった。

高木くんは手順を覚えていて、私が説明する前にカバーを合わせた。

少し迷うところだけ、指を止める。

私はそこを教えた。

「ここ、先に折る?」

「うん。そのほうがやりやすい」

彼が頷く。

作業を見ていると、さっきのことを考えずに済む。

でも、ときどき名前を呼ばれる。

「妃菜、これでいい?」

そのたびに、返事が一拍遅れた。

高木くんは途中から、少しだけ楽しそうだった。

私は本へ目を落としたまま言った。

「……慣れてないだけだから」

彼が手を止める。

それから、笑いを含んだ声で返した。

「うん」
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