きみが窓を見なくなるまで
帰り際、先生に二人分のお礼を言われた。

私は鞄を持ち、高木くんと廊下へ出る。

今日も駅まで同じ道だった。

昇降口の前で、彼が自分の靴箱へ向かう。

少し離れる。

呼び止める用事はない。

でも、今なら。

「……隼人くん」

声が、思ったより小さく出た。

それでも彼は振り返った。

私は鞄の持ち手を握った。

「私も、そう呼んでいい?」

高木くんは、その場で一度止まった。

それから頷く。

「うん」

短い返事だった。

私は顔を下げ、靴を取り出した。

背中の向こうで、彼が靴箱を閉める音がした。
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