きみが窓を見なくなるまで
「妃菜、怖いの苦手だと思ってたんだよね」

みなみが言った。

「そう?」

「なんとなく。だから、ちょっと意外って言ったら」

彼女は本から顔を上げた。

「高木、妃菜はこういうのも読むって。遠藤のほうが知ってると思ってた、って言われた」

私は何も言わず、彼女を見た。

みなみは少し笑う。

「確かに、私、ずっと自分の話ばっかりだったかも」

「そんなこと……」

「でも、最近いろいろ聞けてうれしい」

その言葉に、胸が温かくなる。

私は小さく頷いた。

「私も」

本当だった。

本当なのに、さっき聞いた別の言葉が、その奥に残っていた。
< 252 / 385 >

この作品をシェア

pagetop