きみが窓を見なくなるまで
私は慌てて口元へ手を当てた。

隼人くんは、その動きを見て少し笑う。

「隠さなくていいだろ」

「……別に、隠したわけじゃ」

言いかけて、うまく続かなかった。

自分では気づかなかった顔を、見られていた。

そう思うと、どうしても落ち着かない。

彼は私の水筒を一度見て、言った。

「今日、図書室行く?」

私は頷いた。

当番ではないけれど、返す本があった。

それだけではない。

借りた手紙の話を、少し読み進めていた。

「うん。少しだけ」

「そっか」

予鈴が鳴った。

隼人くんが体育館の時計を見る。

私は、彼の次の言葉を待ってしまった。
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