きみが窓を見なくなるまで
「俺、今日は先に部活」

そう言われて、すぐに頷いた。

「うん」

「本の話、また聞かせて」

「……まだ、途中だから」

「じゃ、ちょうどいいか」

彼はそう言って、少し笑った。

私も笑った。

読み終わっていないから、話せなくても大丈夫。

そんなふうに、理由をもらった気がした。

でも、放課後に図書室へ着いたら、私はまた窓際を見た。

今日は、誰もいなかった。

鞄から手紙の本を出し、カウンターから離れた机へ座る。

先生に声をかけられ、私は借りる側として会釈した。

当番ではない日に来る理由は、もう自分でわかっていた。
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