きみが窓を見なくなるまで
彼が出ていったあと、私は本を閉じた。

来てくれた。

返却だけでも、顔を見られた。

そう思えばいい。

本当に、うれしかった。

それなのに、椅子へ掛かった手を思い出してしまう。

座ってくれるのかと思った。

少しだけ話せるのかと思った。

私は机の上を見た。

本と、筆箱と、水筒。

片づけるものは少ない。

五分も掛からず、帰る準備ができた。

先生へ挨拶をして、図書室を出る。

隼人くんと一緒だった日の廊下より、足音がはっきり聞こえた。
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