きみが窓を見なくなるまで
試合では、何度も失敗した。

サーブは一度、ネットに当たった。

拾えると思ったボールが、腕の横を抜けた。

でも、そのたびに誰かが声をかけた。

「次!」

私も、言うようになった。

みなみがボールを落としたとき。
隣の子が首を振ったとき。

言ってみると、思っていたより自然に出た。

最後の点は、相手のコートへ落ちなかった。

笛が鳴る。

負けたのだと、少し遅れてわかった。

私は膝へ手を置き、息を吐いた。

悔しかった。

上手い人に任せておけばよかった、とは思わなかった。
< 326 / 385 >

この作品をシェア

pagetop