きみが窓を見なくなるまで
帰り道、足が少し重かった。

階段を下りるとき、太腿が張る。

私が手すりへ指を置くと、隼人くんが歩く速さを落とした。

「もう来た?」

「……たぶん」

「早かったな」

「予想、外れた」

彼が笑う。

私は一段ずつ下りた。

隼人くんは先へ行かなかった。

追いつかせるために止まるのでもなく、隣で、同じ速さで歩く。

私は足元を見ながら思った。

好きだと伝えて、同じように思ってもらえなくても。

この時間がうれしかったことまで、なくなるわけではない。

本の感想なら、言えた。

自分のことも、言えるだろうか。
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