きみが窓を見なくなるまで
「……今日?」

「うん」

私は鞄の中へ目を落とした。

予定はなかった。

図書委員の当番でもない。

「あるけど」

隼人くんが頷く。

「じゃあ、図書室で待っててくれる?」

私は彼を見た。

「何時くらい?」

「五時前には行く」

少し間を置いて、彼は付け足した。

「無理だったら、明日でもいい」

私は首を横に振った。

「大丈夫。今日」

返事が、思っていたよりはっきり出た。

隼人くんの口元が緩む。

「わかった」

私は机の下で、両手を握った。

今日は、自分も話そう。

彼が何を言うつもりなのかは、わからなかった。

でも、それだけは決めた。
< 338 / 385 >

この作品をシェア

pagetop