きみが窓を見なくなるまで
昼休みは、あまり食べるのが早くなかった。

みなみが先にパンを食べ終え、水筒を開ける。

私は卵焼きを一つ口へ入れた。

味はした。

でも、そのあと何を食べたか、すぐには思い出せない。

「妃菜」

呼ばれて、顔を上げた。

みなみは私を見たあと、弁当箱へ視線を移した。

「今日、卵焼き多いね」

私は自分の手元を見た。

同じ形の卵焼きが、まだ二つ残っていた。

「……ほんとだ」

みなみが少し笑う。

私は箸を置きかけて、また持ち直した。

今日は、ちゃんと食べよう。

待っている間に、お腹が鳴ったら困る。

そう思うと、少しだけ緊張が緩んだ。
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