きみが窓を見なくなるまで
「直接、見ればよかったんだけど」

隼人くんが言った。

私は顔を上げた。

ガラスの中の彼が、こちらを見ている。

「見てたら、わかるだろ」

「……窓でも、今はわかるよ」

言ってから、自分の声に少し驚いた。

隼人くんが、わずかに目を開く。

それから、口元を緩めた。

「そうだな」

彼がカウンターから手を離した。

足音が、こちらへ戻ってくる。

私は今度、窓ではなく振り返った。

隼人くんが立っていた。

耳も、頬も赤かった。

それでも、私から目をそらさなかった。
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