きみが窓を見なくなるまで
隼人くんは立ち上がり、隣の椅子を引いた。

座ってからも、私を見ていた。

返事を待っている。

私は唇を動かした。

でも、声が出なかった。

「……いつから?」

ようやく出たのは、質問だった。

彼は少し考えた。

「はっきり、いつってわかんないけど」

視線が一度、机へ落ちる。

「教室でも、気にはなってた」

私は目を開いた。

「姿勢いいな、とか。あんまり自分の話しないな、とか」

彼は少しだけ笑った。

「何考えてんのか、知りたかった」

私は机の下で、指を握った。

あの頃から。

知らないところで、見つけてもらっていた。
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