きみが窓を見なくなるまで
カウンターの前で、彼が足を止めた。

思っていたより、近かカった。

教室では間に机や人があった。
今は、カウンター一つしかない。

「……借りる?」

顔を見すぎないようにして尋ねる。

高木くんは、首を少し横に振った。

彼の手に、本はなかった。

私は機械に掛けていた指を離した。

何か、探しているのだろうか。

先生は奥の準備室にいる。
本の場所なら、たぶん私でもわかる。

次の言葉を待っていると、彼の視線が下がった。

貸出カードでも、当番ノートでもなく。

私がまだ片手を載せている、文庫本へ。

ページが閉じないように押さえていた指を、私は少しだけ動かした。

高木くんが、口を開いた。
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