きみが窓を見なくなるまで
傾いた背表紙を、横から伸びてきた手が押さえた。

「これ?」

「……うん。ありがとう」

高木くんの指が、棚に残る本を元へ戻す。

私は目当ての一冊を抜き、立ち上がった。

思ったより近くに彼がいて、半歩下がる。

本を両手で持ち直した。

図書委員として本を探しているだけだ。

なのに、さっきから一つずつ動きを考えてしまう。

高木くんは表紙を見た。

「それと同じだ」

私の本と、という意味だとわかるまで、少し掛かった。

「うん。表紙も同じ」

答えてから、当たり前のことを言ったと思った。

彼は特に気にせず、本を受け取った。

「借りる」

「……はい」

急に丁寧な返事になった。
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