きみが窓を見なくなるまで
カウンターへ戻り、貸出手続きをする。

高木くんが出した図書カードには、名字と名前が並んでいた。

高木隼人。

知っている名前なのに、活字になると少し違って見える。

私はカードを読み取り、返却日を確認した。

「二週間後まで」

「わかった」

本とカードを重ねて渡す。

彼の手が下から受け止めた。

指が触れたわけでもないのに、私は手を引くのが早すぎた気がして、当番ノートへ目を落とす。

高木くんは、その場を離れなかった。

何か間違えただろうか。

顔を上げると、彼は本を少し持ち上げた。

「これ、最後に何か起きる?」

「……言っていいの?」

「あ、だめか」

その返事がおかしくて、笑ってしまった。

今度は隠す前に、彼と目が合った。
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