きみが窓を見なくなるまで
高木くんも、少し笑った。

教室で見る笑い方より、小さい。

でも、ちゃんと私の返事に向けられていた。

「読んでからにする」

「うん。そのほうがいいと思う」

彼は頷き、窓際の席へ戻った。

私は椅子に座る。

さっきまで読んでいたページを探そうとして、栞を挟んでいなかったことに気づいた。

どこだっただろう。

主人公が、パンを守っていたところ。

そこから少し戻り、同じ文章を読んだ。

さっきと同じところなのに、笑うタイミングがわからなかった。

視界の端で、高木くんが借りた本を開く。

私が話した本を。

私は自分のページへ顔を近づけた。
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