きみが窓を見なくなるまで
翌朝、教室に入ると、高木くんはもう来ていた。

自分の席ではなく、陸くんの机の近くに立っている。

昨日、図書室にいた人と同じなのに。

周りに男子がいるだけで、少し遠く見えた。

私は前の扉から入り、鞄を肩から下ろす。

自分の席へ向かう途中で、声がした。

「佐々木」

足が止まる。

高木くんが、こちらを見ていた。

「おはよ」

「……おはよう」

返事をしたあと、もう歩いていいのかわからなくなった。

彼は自然に友達のほうへ向き直る。

それでよかったらしい。

私は席に着き、鞄を机へ掛けた。

挨拶に、正しい終了の仕方がある気がしていた。

彼は、そんなことを考えないのだろうか。
< 49 / 385 >

この作品をシェア

pagetop