きみが窓を見なくなるまで
次の当番の日。

カウンターで返却本を整理していると、机の上へ一冊の本が置かれた。

薄い青色。

顔を上げると、高木くんがいた。

「読み終わった」

「もう?」

言ってから、失礼だったかと思う。

高木くんは気にした様子もなく、本の角に指を置いた。

「そんな長くないし」

「……そっか」

返却処理のために本を取る。

表紙は、貸したときと同じだった。

当然なのに、その内側を彼も読んだのだと思うと、少し不思議だった。

「どうだった?」

できるだけ普通に聞いた。

勧めた側としての確認。

そういう顔で、聞けているだろうか。

高木くんは少し考えた。

「俺、あの人、店に入りたいんだと思った」
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