きみが窓を見なくなるまで
「最後、手紙渡したじゃん」

高木くんが言った。

私は頷く。

主人公は結局、店が開いている日にやって来る。

手紙は、渡す。

店には、入らない。

「入りたくなかったら、あそこまで迷わない気がした」

「……確かに」

「でも、入らなかったんだよな」

「うん」

二人で、少し黙った。

私は読み終えたとき、その終わり方に安心した。

高木くんは、もどかしかったのだろうか。

「入ってほしかった?」

聞くと、彼はすぐには答えなかった。

「次は、入るんじゃない」

本の最後に、その先は書かれていなかった。

私は表紙の青色を見ながら、主人公が扉を押すところを想像した。

初めてだった。
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