きみが窓を見なくなるまで
返却を終えた本を、棚へ置こうとする。

「あ、それ」

高木くんが言って、手を止めた。

私は本を持ち上げる。

「もう一回、借りる?」

「いや。佐々木、まだ読んでる?」

「うん。私、遅いから」

「遅いっていうか、戻るんだな」

私は彼を見た。

どうして知っているのだろう。

高木くんは、少しだけ視線を外した。

「この前、同じとこ開いてたから」

「あ……うん。気になると、戻る」

そう答えると、彼は頷いた。

「読み終わったら、聞きたい」

「何を?」

「今度は、どう思ったか」

私は本を抱え直した。

感想を求められたことより。

この会話に、次ができたことが気になった。
< 59 / 385 >

この作品をシェア

pagetop