きみが窓を見なくなるまで
自分の本を開いた。

今度は先へ進む前に、主人公が店の前に立つ場面へ戻ってみた。

閉じた扉。
中の見えない窓。
誰もいない入口。

同じ文章なのに、少し寂しく見えた。

高木くんが言ったからだろうか。

あの人は、入りたかったのかもしれない。

そう思うと、外に立つ姿が変わった。

私は親指を栞に掛けたまま、顔を上げる。

高木くんは窓を見ていた。

夕方の光が弱まり、ガラスの端に、天井の白い照明が浮かんでいる。

その向こうに、テニスコートがあった。
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