窓際の高木君
第三章 教室では知らない顔
最後のページを閉じたのは、日曜日の夕方だった。

窓の向こうが薄暗くなっている。

私はベッドの上で、読み終えた本を膝に置いた。

主人公は、やっぱり店には入らなかった。

でも、最初に読んだときより、その終わり方を寂しく感じなかった。

次は、入るんじゃない。

高木くんの言葉を思い出す。

本を閉じたあとにも、あの人がどこかで暮らしているような気がした。

月曜日は仕事へ行って。
火曜日には洗濯をして。

木曜日には、また少し迷うのかもしれない。

私は表紙を撫でた。

何を話そう。

そう考えてから、まだ話す日を決めていないことに気づいた。
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