きみが窓を見なくなるまで
月曜日の朝、高木くんは机に頬杖をついていた。

前の席に座った陸くんが、スマホの画面を見せている。

二人の間に割って入るほどの用事ではない。

本を読み終えただけだ。

私は自分の席へ向かい、鞄から教科書を出した。

一時間目は現代文。

ノートを開き、日付を書く。

その途中で、斜め前から声がした。

「佐々木」

顔を上げると、高木くんが椅子ごと少しこちらへ向いていた。

「本、読んだ?」

用意していたはずなのに、返事が遅れた。

「……うん。昨日」

「どうだった?」

陸くんも、私を見る。

その瞬間、頭の中にあった感想が、きれいに隠れてしまった。
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