きみが窓を見なくなるまで
昼休み、みなみが私の机へ来た。

今日はパンの袋を持っている。

「妃菜、お弁当?」

「うん」

「見て。これ、最後の一個だった」

袋の中で、焼きそばパンが少し潰れていた。

「勝ち取った感じがする」

「ちょっと戦ってきた」

みなみは椅子を寄せ、袋を開ける。

私は弁当箱の蓋を外した。

「あ、そうだ。朝、高木と話してたね」

箸袋を開ける手が止まった。

みなみは特に意味のなさそうな顔で、パンの包みを折っている。

「うん。本を貸して」

「へえ。高木って本読むんだ」

「私も、知らなかった」

「何読んでるの?」

今度は、すぐに答えられた。
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