きみが窓を見なくなるまで
午後の授業では、短い英文を二人で確認する時間があった。

前の席の人が後ろを向き、机を寄せる。

私も指示された相手とプリントを見比べた。

教室が、一度に話し始める。

その向こうから、高木くんの声が聞こえた。

「そこ、たぶん逆」

「え、どこ」

「こっちが先」

私は自分のプリントを見たまま、少しだけ笑いそうになった。

本の主人公について話していたときと、同じ声だった。

当たり前なのに。

教室と図書室の高木くんが、自分の中で別々になっていたことに気づく。

顔を上げると、彼もちょうどこちらを向いた。

目が合う。

ほんの一瞬。

私は先に、プリントへ視線を戻した。
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