きみが窓を見なくなるまで
最後の一冊を戻して振り返ると、高木くんがカウンターの横に立っていた。

窓際へは行かなかったらしい。

「今、忙しい?」

「あと少し」

私は手元に何も持っていないことに気づき、カウンターを見た。

まだ半分残っている。

「本、戻してから」

「これ?」

彼が積まれた本へ目を向ける。

「うん」

「どこ?」

「……え?」

高木くんは、いちばん上の一冊を指で示した。

「番号見ればわかる?」

「あ、わかるけど。いいよ、私の当番だし」

「待ってる間に戻したほうが早くない?」

私は残った本を見た。

それは、確かにそうだった。

「じゃあ……二冊だけ」

「二冊」

彼は少し笑って、上から二冊取った。
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