きみが窓を見なくなるまで
「前は、そこで終わりだと思ってた」

私は続けた。

「本が?」

「その人の話が」

高木くんは頷いた。

「でも、次の日もあるんだなって。書かれてないだけで」

自分で話しながら、少し不思議だった。

こういうことを、人に説明したことがあまりない。

うまくまとまっていない。

それでも彼は途中で先回りせず、聞いていた。

「佐々木、続き気になるタイプ?」

「本によるかも」

「これは?」

私は表紙を見た。

木曜日の余白。

薄い青色の扉が、小さく描かれている。

「……少しだけ、知りたい」

「入ったかどうか?」

「何を注文するのかなって」

高木くんが、声を抑えて笑った。
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