きみが窓を見なくなるまで
昇降口へ向かう途中、みなみが掲示板の前で立ち止まった。

「来月、球技大会あるじゃん」

貼り出された紙を見る。

クラスごとの種目と、役割を決める日程だった。

「妃菜、何出る?」

「まだ、わからない」

「私、バレーかな。テニスないし」

「テニスあったら、強そう」

「部活の人ばっかり勝っちゃうからね」

みなみは笑って、髪を後ろでまとめ直した。

長い髪が肩から離れ、横顔がすっきり見える。

私は自分の髪に触れた。

いつもと同じ、下ろしたままの髪。

「妃菜も結べば?」

みなみが、私の指先を見て言った。

「体育のとき、邪魔じゃない?」

「……少し」

結んだ自分を想像した。

顔が、今よりよく見える気がした。
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