窓際の高木君
一時間目の前、高木くんが教室へ入ってきた。

陸くんに何か言われ、短く返しながら席へ向かう。

私は教科書を開いた。

目で追わなくても、椅子を引く音で座ったのがわかった。

昨日までは、そんな音を聞き分けていなかったはずだ。

「佐々木」

顔を上げる。

高木くんが、こちらを向いていた。

「今日、当番?」

「……うん」

「そっか」

彼は頷き、机の中から教科書を出した。

それだけだった。

私は開いたページを見る。

今日、当番。

自分の予定を答えただけなのに、さっきまでとは違う放課後が待っている気がした。
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