きみが窓を見なくなるまで
放課後の図書室は、いつもより暖かかった。

窓を閉めたあとも、昼間の熱が少し残っている。

私はカウンターで、返却された本を並べた。

手首のゴムが、机の端に当たる。

外してしまおうかと思ったとき、扉が開いた。

高木くんだった。

こちらを見てから、本棚のほうへ向かう。

私は一度だけ頷き、作業へ戻った。

最近は、それが挨拶になっている。

声を出さなくても、見つけてもらえたことがわかる。

最後の一冊を置き直したところで、彼がカウンターへ来た。

「それ、昨日の?」

差し出されたのは、返却する本だった。
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