あなたと見つけた、幸せのかたち

第7話 恋人の、距離


 直哉の部屋に行く日がやってきた。
 菜月はちょっと、緊張していた。
 菜月は、今日は、白いカットソーに、青いキュロットスカート姿だった。赤いヘアバンドをしている。
 直哉の部屋は、2LDKで、菜月の部屋よりも広かった。
 白い壁にダークブラウンの床。ソファに、大きな観葉植物。
 落ち着いた部屋だった。
 二人で、リビングでサブスクの映画を観た。
 大きなテレビだった。
 内容は、かわいらしいラブロマンスだ。
 もちろん、ハッピーエンド。
「おもしろかったです」
「よかった」
 その後、直哉が用意した夕食を食べた。 
 直哉の手作りのハンバーグにライスだった。つけあわせに、じゃがバター。
「うわぁ、おいしい!」
「そうだろ? なんてね」
 直哉は、いつもの大人らしい様子とは別人のように、菜月に甘えた。
 くっついたり、抱きしめたり、キスしたり。
 まるで、甘えん坊の猫みたいだ。
「菜月ちゃん、大好きだよ」
 菜月は、意外だったが、特別な顔を見せてくれたみたいで、嬉しかった。
 直哉は、その日は菜月を送って帰った。
 名残惜しかった。

 ある日、菜月は勇気を出して、電話で言った。
「私の部屋に来ませんか?」
 スマホを持つ手が震えた。
 大胆だと思われなかっただろうか?

 直哉は浮かれていた。
 菜月の方から誘ってくれた!
 電車で、菜月の部屋の最寄りの駅で降り、菜月の部屋へ向かった。
「会いたかった……」
 思わず、直哉はそう言ってしまった。
 出迎えた菜月は、
「……私も」 
 赤くなって、微笑んだ。

 また、ロマンス映画を見、夕食は、今度は一緒に作った。
 菜月が野菜を切って、直哉が隣で調理する。
 体がたまに触れ、二人とも照れる。
 食後、直哉が甘えてきた。
「菜月ちゃん、もっとくっついてたいよ」
「もう……甘えん坊さんなんだから」
「もっと、一緒にいたい」
「わ、私も……」
 そのまま。直哉は泊まっていった。

 翌朝、二人は同じベッドで目を覚ました。
 カーテンから朝日が差し込み、菜月は、隣に直哉がいることに気づく。
 昨日までより近い距離……。
 菜月は、くすぐったくて、恥ずかしくて──でも、幸せだった。
「おはよう、菜月」
「お、おはよう、直哉……」
「菜月、俺、今最高に幸せ」
「わ、私も……」
 二人は、朝食を二人で摂った。
 今日は、直哉が作った。
 目玉焼きにご飯。味噌汁だった。
「次は、いつ会おうか?」
「うん。また二人きりで、会いたい」
「俺、毎日でも、菜月に会いたいよ」
「もう……」
「菜月は?」
「……わ、私も」
「菜月!」 
 直哉は、菜月を抱きしめた。
「かわいすぎる!」
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