男子恐怖症の私が付き合うなんて、ほど遠すぎます!
「3組はアカペラで最優秀賞とったんだぞ!?歌は俺らのほうがうまいんだから、アカペラだったら最優秀賞取れたのにな!……な?」
「そうだよ!長閑が伴奏やんなければ……!お前のせいで……!」
私はただクラスの伴奏をやっただけだ。
何も悪いことはしていない。
めんどくさいから放置。
でも、悪いことはしてない。
っていうか、練習のとき、声かけたけど聞いてくれなかったじゃん。
ちゃんと聞いてくれれば、最優秀賞いけたと思うし。
でも、相手はその態度が気に入らなかったみたい。
「はぁ?お前、なんなんだよその態度!」
「お前のせいなのに、調子のんじゃねぇよ!」
その時、予鈴がなった。
よかった……。
助かった!
授業、終学活、掃除、と、学校生活の中でやることがどんどん終わっていく4時すぎ。
学校にいる間、男子たちに囲まれている間もキツイけど、家のほうがキツイ。
だって、寝るまで一緒だし……。
好きでもないピアノをずっと弾かなきゃいけない。
伴奏とか好きだけど、クラシックは眠くなるに一票。
だから、放課後は居残れるだけ、居残って、追加で掃除するけど……。
「ほら、帰るよ長閑さん」
まだ4時半なのにぃ……。
泣く泣く帰る。
担任の先生の、旭 優(あさひ ゆう)先生。
大体、できるところまで残るけど。
さすがに、声をかけられたら、帰らないと迷惑だから。
居残らせてもらえるだけありがたい。
先生は、男の先生だけど、最近はだいぶ慣れてきた。
威嚇してる感じがない、というか、雰囲気が優しいから。
近づいても、怖くないし。
合唱コンクールの前だから頑張るぞ!って、円陣組んだ時も、くっついてたけど、別に、怖さはなかった。
まだ、隣りにいると緊張するし、円陣組んだりすると、固まっちゃうけど。
他の男子とは、比べ物にならないくらいだ。
ギリギリ、先生とは話せる。
カタコトにはなるけど。
「長閑さんは、このあと放課後なにやるの?」
「私は、いつも通りピアノですかね……」
「ははっ。またピアノ。大丈夫?寝てる?」
「先生、それ日記にも書いてた……」
うちの学校では、日記を毎日つけて、1週間に1回、提出しなきゃいけない。
でも、毎日分のコメントを、毎回先生がくれる。
そこに3日連続寝た?とかが続いたんだ。
1日目 寝ようね
2日目 寝てる?
3日目 寝た?
って……。
「書いたよ。だって、長閑さん寝てないでしょ?」
「そういう先生こそ……。寝てない、ですよね?クマできてますよ?」
「いや、俺昨日5時間寝たから。そっちこそ何時間寝たの?」
「意外と寝てますねっ……」
「そうだよ。ってゆうか本当に何時間寝たの?」
「んぐっ……。私はちゃんと3時間寝ましたよ?」
「いや、それちゃんとって言わないんだって。生徒が教員より睡眠時間少ないなんてダメだって」
「いや、私は大丈夫です!ギネスが11日と12分なので、それくらいは……!」
「長閑さんにギネス教えなけりゃよかった……」
多分、私は、先生と1対1で話しているときが、一番話しやすい。
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