ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
「やあ、雪村さん」
九条先生がにこにこしながら近づいてきた。
看護師からも患者さんからも好感度が高く、信頼も厚く。
それはとても素晴らしいのだけれど、人目もはばからずとんでもない話をしそうでドキドキしてしまう。
「どうですか? 少し慣れました?」
ナースステーションにはほかの看護師もいる。
背中や横顔にひしひしと看護師たちの視線を感じながら、形ばかりの笑みを浮かべた。
「はい。おかげさまで」
「そうですか、よかったです。困ったことがあったら遠慮なく言ってくださいね」
「ありがとうございます」
「えっと、雪村さん」
な、なんですか。