ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!

「やあ、雪村さん」

 九条先生がにこにこしながら近づいてきた。
 
 看護師からも患者さんからも好感度が高く、信頼も厚く。
 それはとても素晴らしいのだけれど、人目もはばからずとんでもない話をしそうでドキドキしてしまう。

「どうですか? 少し慣れました?」

 ナースステーションにはほかの看護師もいる。
 背中や横顔にひしひしと看護師たちの視線を感じながら、形ばかりの笑みを浮かべた。

「はい。おかげさまで」

「そうですか、よかったです。困ったことがあったら遠慮なく言ってくださいね」

「ありがとうございます」

「えっと、雪村さん」

 な、なんですか。
< 107 / 131 >

この作品をシェア

pagetop