ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
テーブル席に空きはなく、案内されたカウンター席に座ると、露子が慣れた素振りでドリンクの注文を済ませる。お酒の強い彼女は足の細いグラスのカクテルを選んだ。
普段の私なら二軒目ではジュースのような弱いお酒を選ぶところだが、今夜はむしろ酔ってしまいたかった。露子にならって「私も同じで」と頼む。
一息ついてカウンターの奥に視線を這わせる。リキュールなのか、スコッチウイスキーなのか、はたまたワインなのか。ずらりと並ぶボトルを見ても、どれがどんなお酒なのかよくわからない。誠一郎さんとのデートはいつも彼が選んだワインをただ口に運ぶだけだったから。
スマートにワインを注文する彼と、それだけで幸せだった夜を思い出しそうになり、私は瞼を伏せてキュッと唇を結ぶ。
深紅のワインと揺れるキャンドルの炎……。
なにもかも消しゴムで消せたらいいのに、忘れようとすればするほど記憶は鮮明になるばかりだ。
「今夜は飲もうね。とことん付き合うから」
普段の私なら二軒目ではジュースのような弱いお酒を選ぶところだが、今夜はむしろ酔ってしまいたかった。露子にならって「私も同じで」と頼む。
一息ついてカウンターの奥に視線を這わせる。リキュールなのか、スコッチウイスキーなのか、はたまたワインなのか。ずらりと並ぶボトルを見ても、どれがどんなお酒なのかよくわからない。誠一郎さんとのデートはいつも彼が選んだワインをただ口に運ぶだけだったから。
スマートにワインを注文する彼と、それだけで幸せだった夜を思い出しそうになり、私は瞼を伏せてキュッと唇を結ぶ。
深紅のワインと揺れるキャンドルの炎……。
なにもかも消しゴムで消せたらいいのに、忘れようとすればするほど記憶は鮮明になるばかりだ。
「今夜は飲もうね。とことん付き合うから」