ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
【土曜日、十一時にマンションに迎えに行きます。大事な用があるので】
クッ……。
顔に熱が集まる。これで周りに人がいなければ追いかけて文句を言いたいところだけれど、唇を噛み拳を握って耐えて、ポケットに紙を押し込んだ。
今度はポケットのその部分だけが急に熱を持ったかのように思えて、思わず手の上からぎゅっと布地を掴んだ。
迎えに行くって、どうして私の住所を? などと疑問に思うまでもない。病院名義の部屋を借りているのだから、
「雪村さん、さっき入院してきた患者さんなんだけど」
後ろから先輩看護師に声をかけられ、私は飛び上がりそうになるのを必死に堪えて振り返った。
「は、はい! 何でしょうか」
「えっ、あ、ちょっと確認したくて。大丈夫?」
「す、すみません……」
チラリと廊下の向こうへ視線をやると、九条先生の白衣の背中が、角を曲がって見えなくなるところだった。
大事な用って、一体何だろう。本当に用事なのだろうか。
クッ……。
顔に熱が集まる。これで周りに人がいなければ追いかけて文句を言いたいところだけれど、唇を噛み拳を握って耐えて、ポケットに紙を押し込んだ。
今度はポケットのその部分だけが急に熱を持ったかのように思えて、思わず手の上からぎゅっと布地を掴んだ。
迎えに行くって、どうして私の住所を? などと疑問に思うまでもない。病院名義の部屋を借りているのだから、
「雪村さん、さっき入院してきた患者さんなんだけど」
後ろから先輩看護師に声をかけられ、私は飛び上がりそうになるのを必死に堪えて振り返った。
「は、はい! 何でしょうか」
「えっ、あ、ちょっと確認したくて。大丈夫?」
「す、すみません……」
チラリと廊下の向こうへ視線をやると、九条先生の白衣の背中が、角を曲がって見えなくなるところだった。
大事な用って、一体何だろう。本当に用事なのだろうか。