ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
時刻は夜の十一時。私は歩いて帰れる距離だけど露子はそういうわけにはいかない。私の部屋に泊まってほしいのは山々だけれど、彼女は明日予定があって帰らなければならない。
帰り支度を始めると九条先生も席を立った。そればかりか、私たちの会計まで済ませてくれた。
「九条先生、ありがとうございます!」
「だから、先生はやめてくださいよ」
照れたように笑う彼が、本当にあのわがまま御曹司だなんて、夢でも見ているようだ。まだ三年しか経っていないのに人はこうも変わるのかと、半ば朦朧とした頭で感心する。
されど三年、か。
あの頃。誠一郎さんと付き合い始めて一年くらいで、幸せの絶頂にいた私は、今日のような未来があるなんて想像すらできなかった。あの優しい彼が、あっさりと別れを切り出すなんて……。
会計を済ませて店を出ると、露子が「じゃあ私こっちだから」と手を振る。
「気をつけて帰ってねー」
「はーい。また来週ー」
帰り支度を始めると九条先生も席を立った。そればかりか、私たちの会計まで済ませてくれた。
「九条先生、ありがとうございます!」
「だから、先生はやめてくださいよ」
照れたように笑う彼が、本当にあのわがまま御曹司だなんて、夢でも見ているようだ。まだ三年しか経っていないのに人はこうも変わるのかと、半ば朦朧とした頭で感心する。
されど三年、か。
あの頃。誠一郎さんと付き合い始めて一年くらいで、幸せの絶頂にいた私は、今日のような未来があるなんて想像すらできなかった。あの優しい彼が、あっさりと別れを切り出すなんて……。
会計を済ませて店を出ると、露子が「じゃあ私こっちだから」と手を振る。
「気をつけて帰ってねー」
「はーい。また来週ー」