ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
九条先生が頼んだのはサラトガ・クーラーという、やはりノンアルのカクテルだ。どんな味なのか尋ねると、先生は「さっきの店で雪村さんが飲んでいた、モスコミュールのウォッカ抜きですよ」と教えてくれた。
お腹はいっぱいでもうなにも食べられないと思ったのに、先生が頼んだレーズンバターとオランジェットを見た途端、消えていた食欲がひょっこりと顔を出した。それくらいの元気はまだ私にもあるらしい。
「実は、友だちの外科医の話なんですけど」
グラスを傾けながら、九条先生はそう切り出した。
「つい先週の話でね、結婚を考えていた彼女にいきなりふられちゃったんですよ」
「えっ?」
タイムリーな話に思わず目を丸くする。振られる相手が私たちとは逆だけれど。
「ほら、俺たちって突然呼び出されたりするでしょ」
彼の話によると、医者という仕事ゆえの度重なるすれ違いにより、彼女から普通の人と結婚したいと別れを切り出されたと言うのだ。
「でもね、忙しいのはわかっていたよね? って思うわけですよ」
「まあ、そうですね」
お腹はいっぱいでもうなにも食べられないと思ったのに、先生が頼んだレーズンバターとオランジェットを見た途端、消えていた食欲がひょっこりと顔を出した。それくらいの元気はまだ私にもあるらしい。
「実は、友だちの外科医の話なんですけど」
グラスを傾けながら、九条先生はそう切り出した。
「つい先週の話でね、結婚を考えていた彼女にいきなりふられちゃったんですよ」
「えっ?」
タイムリーな話に思わず目を丸くする。振られる相手が私たちとは逆だけれど。
「ほら、俺たちって突然呼び出されたりするでしょ」
彼の話によると、医者という仕事ゆえの度重なるすれ違いにより、彼女から普通の人と結婚したいと別れを切り出されたと言うのだ。
「でもね、忙しいのはわかっていたよね? って思うわけですよ」
「まあ、そうですね」