ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
研修医だった頃の彼は、もっとドライで突き放したような態度を取る人だった。考えてみればこうして部屋に誘ってくれたのも驚きだし、今のように熱い感情を見せるなんて当時の彼からは想像できない。
私は彼のほんの一面しか見ていなかったのか。あるいは一方的に思い込んでいただけなのか。なんにせよ、今夜の九条先生には驚かされてばかりだ。
それでも、自分の代わりに怒ってくれるのがうれしくて、妙にドキドキした。
「男としても同じ医者としても本当に許せないです。四年間も側にいてくれた人の人生をなんだと思ってるんだ。そんな言い訳で踏みにじるなんて、許されないですよ」
「そうですよね。私も、酷いと思います」
「ええ、そんな男は一刻も早く忘れるべきだ」
私は動揺を隠すように再びグラスに口をつけた。今度のひと口は、さっき感じた苦味よりも清涼感のある甘味をより強く感じる。
九条先生って熱い人なんだ。そして優しい。
まるで私の代わりに怒ってくれているように感じて、少し耳の後ろあたりがこそばゆくなる。
私は彼のほんの一面しか見ていなかったのか。あるいは一方的に思い込んでいただけなのか。なんにせよ、今夜の九条先生には驚かされてばかりだ。
それでも、自分の代わりに怒ってくれるのがうれしくて、妙にドキドキした。
「男としても同じ医者としても本当に許せないです。四年間も側にいてくれた人の人生をなんだと思ってるんだ。そんな言い訳で踏みにじるなんて、許されないですよ」
「そうですよね。私も、酷いと思います」
「ええ、そんな男は一刻も早く忘れるべきだ」
私は動揺を隠すように再びグラスに口をつけた。今度のひと口は、さっき感じた苦味よりも清涼感のある甘味をより強く感じる。
九条先生って熱い人なんだ。そして優しい。
まるで私の代わりに怒ってくれているように感じて、少し耳の後ろあたりがこそばゆくなる。