ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
 彼も私もいい大人だ。ああなってしまったとはいえ、そんな夜もあると割り切り、さよならを告げればそれでもうおしまい。これでもうメッセージも来ないと思っていたのに。

 なぜか、毎晩のようにメッセージは届く。

 まるで恋人にでも送るような内容に、さすがにどうしたものかと困ったけれど、よく考えてみると、だからといって電話がかかってくるわけでもない。電話番号は登録されているのに、着信はないのだった。

 そうか、これは彼なりの励ましのジョークなのだなと受け入れた。
 きっと私が完全に立ち直るまで、架空の恋人のふりでもしてくれているに違いないと。

 さて――、今回はなんと返そうか。
 少し悩んでから画面に指を滑らせる。

【お疲れ様です。残念ながら、私のお休みは永遠に来そうもありません。そんなわけですので、九条先生はどなたか素敵な女性を誘って楽しんでください】

 なんだかんだ文句を言いつつも、彼からのメッセージには少なからず励まされている。ありがとう先生と、心で礼を言い、クスッと笑ってスマートフォンをテーブルに置いた。
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