ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
次の日はお休みで露子と会って気分転換をした。
映画を見たりショッピングをしたり。私の様子がそれほどつらそうには見えないらしく彼女も安心したらしい。
「その調子。平気な顔をしていれば、案外本当に平気になるものだから」
「うん。恨んでも仕方ないしね」
「深結、えらい! でも本当にそうだよ。恨む時間がもったいないもん。気持ちを切り替えて新しい恋をしなくちゃ」
私は恋をあきらめたわけじゃない。今はまだ考えられないけれど、きっと大丈夫。新しい恋だってできる。
自分を励まして、思い出してはつらくなり、また励ましてと繰り返し。そんなこんなで、誠一郎さんと別れて二週目に入ったある日――。
昼休みの休憩室で、ひそひそ声が耳に飛び込んできた。
「ねえ、聞いた? 白石先生、婚約したって」